ウィリアムズF1、米投資会社に売却 家族経営に終止符
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【8月22日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の古豪チームであるウィリアムズ(Williams)は21日、43年間にわたる家族経営に終止符を打ち、米国を拠点とする投資会社ドリルトン・キャピタル(Dorilton Capital)に買収されたと発表した。
1977年にフランク・ウィリアムズ(Frank Williams)氏とパトリック・ヘッド(Patrick Head)氏が創設したウィリアムズは、これまでに通算9度のコンストラクターズ選手権制覇を成し遂げ、ドライバーズ選手権ではカナダ人ドライバーのジャック・ビルヌーブ(Jacques Villeneuve)氏が制した直近の1997年を含めて計7度のタイトル獲得を果たしている。
5月にはウィリアムズ・グランプリ・ホールディングス(WGPH)が、2019年度の決算で1300万ポンド(約18億1000万円)の損失を記録したと報告し、新しい投資家探しを迫られていた。2018年には1290万ポンド(約17億9000万円)の利益を計上していたものの、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による影響が損失の主な要因となった。
フランク氏の娘であるクレア(Claire Williams)副代表は、「家族経営のウィリアムズ時代はこれで終わりかもしれませんが、チームが安泰になると分かっています」「この売却でチームの存続は保証されますが、最も重要なのは成功への道筋が与えられることです」とのコメント文を発表した。
ウィリアムズの経済的打撃は、サーキット上でのパフォーマンスにも影響を与えている。2015年シーズンにはコンストラクターズ選手権で3位を記録したが、昨季は最下位に低迷。今季もこれまで1ポイントも獲得できずに同じポジションに甘んじている。
こうした状況は、ナイジェル・マンセル(Nigel Mansell)氏をはじめ、アラン・プロスト(Alain Prost)氏やデイモン・ヒル(Damon Hill)氏らが世界王者に君臨した1990年代の黄金期とは対照的なものとなっている。
ドリルトン・キャピタルのマシュー・サベージ(Matthew Savage)会長は、新たな投資と会社の辛抱強いアプローチが、レースでのパフォーマンスに変化をもたらすとしており、「わが社の柔軟で辛抱強い投資スタイルによって、チームがグリッドの先頭に戻るという目標に集中できるようになることから、われわれは理想的なパートナーであると確信している」と述べた。(c)AFP/Pirate IRWIN