【8月21日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、あともう少しで全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を欠場するところだったとしながらも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への懸念がある中で出場を決めた理由の一つは、テニスの歴史的偉業を追求するためだと話している。

 四大大会(グランドスラム)で通算17勝を誇るジョコビッチは、31日にフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)で開幕する全米オープンへの出場を決めたのは、グランドスラムの男子シングルスで歴代1位となるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の通算20勝に追い付くことが大きな理由であるのは「当然」のことだと、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に語った。

「プロとしてこのレベルでプレーし続けている理由の一つは、テニス界でもっと高みに到達したいからだ」

 現在33歳のジョコビッチは、グランドスラム男子シングルスの直近7大会で5回の優勝を果たしているが、今年の全米オープンに出場すると決めたのは、同大会を終えて欧州に戻った際に、全仏オープンテニス(French Open 2020)などの大会に向けて長い隔離措置に直面しないという、関係者の確約を得てからのことだった。

 現地入りまで一週間を切ってから最終決断を下したジョコビッチは、「もう少しで来ないところだった」「不透明なことが多かった」とコメント。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)を含む多くの大会を中止させ、全米オープンも無観客での開催に追い込んだ新型コロナウイルスの感染拡大を防止する手順として、他の大半の選手がホテルに滞在している中で、同選手はニューヨークで家を借りて滞在している。

「プレーを望んでいる。つまり、だからここに来たんだ」「自分の健康にリスクや危険が及ぶことを恐れてはいない。もしそう感じていたら、ここには来ていなかっただろう」

 今年の全米オープンは、39歳のフェデラーがけがで欠場するほか、昨年大会の王者でグランドスラム通算19勝のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も、今後のクレーコートシーズンや通算13度目の全仏制覇に集中するために出場を見送った。

 現時点で計282週間にわたり世界1位の座を維持し、来年3月までにフェデラーの史上最多記録310週間を更新する可能性があるジョコビッチは、そのことについても大きな目標であるとタイムズ紙に語っていた。(c)AFP