■欧州では「想像もできない」

 他のリーグや競技でも独自の隔離環境をつくっているが、中国スーパーリーグは特に制限が厳しい。米プロバスケットボール(NBA)は、プレーオフが開催されるまでフロリダ州オーランド(Orlando)のディズニー・ワールド(Disney World)内に設置されたバブル環境で6週にわたって試合を行うが、スーパーリーグのレギュラーシーズンは約10週も続く。

 スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)の元指揮官で、現在は大連人職業(Dalian Professional FC)を率いるラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督は、一つ屋根の下で他の7チームと共に暮らすことを最大限生かそうとしている。

 ベニテス監督は19日に更新したブログの中で、「こういったプランは欧州では不可能だ。2か月もの間、スタッフやコーチ陣、選手の全員がホテルで缶詰め状態となり、外出が認められるのは練習と試合だけ」と記した。

 ここまで未勝利のベニテス監督は「想像もできない」と続けた。

 イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)を率い、2005年に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を制した60歳のベニテス監督は、広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)のファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)監督や広州富力(Guangzhou R&F)のジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト(Giovanni Van Bronckhorst)監督と話したり、卓球をしたりして自由時間を過ごしているという。

 大連人職業のメンバーは大連に滞在しており、各チームは二つのフロアが割り当てられているホテルで約2か月半を過ごすことになる。

 一方、蘇州に滞在する8チームは、宿泊先である太美香谷里酒店(Taimei Xiangguli Hotel)で一棟ずつ宿舎が与えられている。

 同国サッカー協会(CFA)はシーズン開幕の直前、特に家族と長く離れることによる選手の精神的な健康状態が心配だと認めていた。

 選手たちは自由時間にテレビゲームやアーケード型ゲームをプレーすることができ、ホテルにはライブラリーやカラオケが設置されている。(c)AFP