【7月20日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の開幕が直前に迫る中、各クラブは厳格な新型コロナウイルス対策に違反した場合は追放処分になる可能性もあると警告を受けた。その中で、武漢卓爾(Wuhan Zall)は先陣を切って、隔離措置の取られたホテルで今後2か月以上にわたる隔離生活をスタートさせた。

 レギュレーションが刷新され、試合数が大幅に少なくなった今シーズンの同リーグは25日、当初より5か月遅れで開幕を迎え、試合は無観客で行われる。

 シーズンの前半、16チームは2グループに分けられ、試合は北東部の大連(Dalian)と上海の近くにある蘇州(Suzhou)の2都市で行われる。

 選手や監督、スタッフは今後70日間にわたって行動が厳しく制限され、トレーニングや試合以外はホテルで過ごさねばならない。

 安全な「バブル」環境をつくるための一環として、チーム関係者は家族に会うことも許されておらず、各チームは試合会場となっている両都市にあるそれぞれのホテルに滞在することになる。

 スーパーリーグにおける新型コロナウイルス対策の責任者は、国営新華社(Xinhua)通信に「われわれの感染症対策は非常に厳格で、違反すれば今季のリーグ戦から追放される可能性もある」とコメントした。

「チームや選手は、違反しても罰金や出場停止処分を科されるだけだと思うべきではない」

 今季のリーグ戦は、大連で行われる前年王者・広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)と同国FAカップ(Chinese FA Cup 2019)王者・上海申花(Shanghai Shenhua)の一戦で幕を開け、同日には蘇州で武漢卓爾と青島黄海(Qingdao Huanghai)の試合も行われる。武漢卓爾は、武漢(Wuhan)の新型ウイルスとの闘いがよく知られているという点を考慮され、その試合が開幕日に組み込まれることになった。

 蘇州に向けて出発する際、発煙筒をたいたファンに見送られた武漢卓爾の選手とスタッフは、19日に隔離措置が取られたホテルに到着した。

 クラブによれば、新型ウイルスの検査で全員の陰性が確認されたため、翌日にトレーニングを行うことが許可されたという。

 武漢卓爾を率いるスペイン人のホセ・ゴンサレス(Jose Gonzalez)監督は「われわれは新シーズンに向けて1月からトレーニングを行ってきた。選手たちはとても必死に努力し、十分準備ができている」と述べた。

「選手たちが全力を尽くし、(新型ウイルスの)大流行の影から脱した武漢のファンに幸せを届けられればうれしい」 (c)AFP