【8月19日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)は18日、SUV(スポーツ用多目的車)ほどの大きさの小惑星が、地球の2950キロ上空を通過したと発表した。小惑星としては、これまで観測された中で最も近い距離だという。

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 発表によると「2020 QG」と名付けられた小惑星は、仮に地球と衝突していたとしても、大気圏内で分解され、空中で火球か隕石(いんせき)になっていたため、被害が出る可能性は低かった。

 直径3~6メートルほどの小惑星は、グリニッジ標準時(GMT)16日午前4時8分(日本時間同日午後1時8分)に、インド洋南方の上空を秒速約12.3キロで通過。多くの通信衛星が周回する高度3万5000キロの静止軌道よりもはるかに低い高度だった。

 JPLによると、同程度の大きさの小惑星は年に数回、今回と同じような距離で通過している。だが、地球に直接向かってくる場合は大気圏内で爆発するため記録できるが、それ以外は難しいという。

 例えばロシアのチェリャビンスク(Chelyabinsk)で2013年、全長20メートルほどの隕石が空中で爆発。数キロにわたり窓が粉砕され、約1000人が負傷した。

 NASAは、地球にとって実際に脅威をもたらす可能性がある直径140メートル以上の小惑星の監視を任務の一つにしているが、NASAの機器ではこれよりも小さい小惑星の追跡も可能だという。(c)AFP