■恐れから警察に届け出ない

 最初にそうした目に遭ったのは、まだ18歳のときだった。マッサージの最中、男性客が胸と脚を触ろうとしてきた。

 10代初めに眼感染症のため失明したミンさんは、「どうしたらいいか分からなかった。そんな経験をしたことがなく、どう対処していいか誰も教えてくれなかった」と語る。

 ミャオミャオ(Miaomiao)というニックネームを名乗った視覚障害者の女性は、マッサージ店で10代の見習いだったときに性的虐待を受けたと語った。客の中にはわざと下着を着けないで、ミャオミャオさんに性器を触らせようと仕向ける男性もいれば、いきなり触らせようとした客もいた。

 だがAFPが取材した女性のうち、誰も警察に届け出た人はいなかった。ほとんどが恐れからだ。

「誰にも話しませんでした。話しても問題が解決しないどころか、さらに事態が悪くなったかもしれません」と、変性疾患のため8歳で視力を失ったミャオミャオさんは語った。

 リ氏は、こうした状況を変えるには、障害のある人々を社会に受け入れ、法的にもっと保護することが不可欠だと主張し、当局は視覚障害者を平等に扱って、「ただ孤立させるのではなく、さらなるリソース」を提供するよう取り組むべきだと訴える。

 国連(UN)の障害と開発に関する2018年の報告書によると、中国では障害者の半数近くが、指定された学校に通っている。これは調査対象となった国々の平均をはるかに上回る割合だ。