【3月14日 AFP】韓国のKポップ界は、究極に清廉潔白なイメージでスターを売り出してきた。スターたちはその健康的なルックスで世界中にファンを増やしてきたが、このところセックススキャンダルが相次いでいる。活動家らは、これらのスキャンダルは、韓国社会にまん延する女性への差別と虐待を浮き彫りにしていると指摘する。

 わずか2日のうちに、男性人気アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」のメンバーV.I(本名イ・スンヒョン、Lee Seung-hyun)さん(29)と、男性人気歌手チョン・ジュニョン(Jung Joon-young)さん(30)の2人が、相次いで芸能界からの引退を表明した。

 V.Iさんは、投資家への性的サービスあっせん疑惑が浮上し、チョンさんは、女性との性行為を同意なく撮影した動画を共有した事実を認めた。

 韓国の放送局SBSの報道によれば、チョンさんとV.Iさんは同じチャットグループのメンバーで、そこでは複数のメンバーが、少なくとも10人の女性との性行為を盗撮した動画を共有していた。

 韓国では、男性が主に女性を隠し撮りする「モルカ」と呼ばれる「スパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)」による盗撮行為がはびこっており、取り締まりが行われてきた。

 だが、このような状態でも、Kポップスターは一般的にクリーンなイメージが植え付けられており、韓国政府は文化輸出の中心に位置づけ、積極的に売り出してきた。

 ソウル在住のポップカルチャー評論家イ・ムンウォン(Lee Moon-won)氏は、さまざな事業に手を広げているV.Iさんは「理想的な文化輸出」と一般的に見られていたと指摘する。

「スターとして並外れて勤勉である点は、ほとんどのファンが認めるだろう」と、AFPの取材に応じたイさんは話す。「歌手としてのキャリアに加え、日本語と中国語を習得し、両国でBIGBANGが活動する際には欠かせない存在になっていた」