【8月17日 AFP】自転車ロードレース、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine 2020)は16日、最終第5ステージ(ムジェブからムジェブ、153.5キロメートル)が行われ、前日まで5位につけていたEFプロサイクリング(EF Pro Cycling)のダニエル・マルティネス(Daniel Martinez、コロンビア)が驚きの総合優勝を果たした。

 今大会には、昨年のツール・ド・フランス(2019 Tour de France)王者であるチームイネオス(Team Ineos)のエガン・ベルナル(Egan Bernal)ら有力なコロンビア人選手が何人か出場していたが、マルティネスが同国出身のライダーでは1991年のルイス・エレーラ(Luis Herrera)以来となる優勝を果たすと予想していた人はほとんどいなかった。

 この日の第5ステージは、米コロラド州出身でチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)に所属する25歳セップ・クス(Sepp Kuss)が先頭集団に27秒差をつけ、ステージ優勝を飾った。

 ベルナルや同選手のライバルであるユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)といった何人かの優勝候補は、29日に開幕するツールの前哨戦である今大会中にけがをして棄権している。

 グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)は総合首位で最終日を迎えたが、最後のアタックについて行けないことが分かると、水のボトルを地面に投げつけて感情をあらわにした。

 コロンビアの国内選手権でタイムトライアルを制しているマルティネスは、ピノがどの位置につけているのか分からないまま最後の登坂に臨んだと明かし、「山では常にイヤホンが機能するとは限らない」とコメント。総合王者のイエロージャージーと新人賞のホワイトジャージーを手に入れたマルティネスは、自分を極限にまで追い込んだと振り返った。

 一方、ログリッチはこの日のステージ前に棄権。前日のステージで落車するまでは好調だったが、チームはログリッチの状態が当初考えていたよりも深刻である可能性を示唆し、ツイッター(Twitter)で「今後けががどうなるかで、これからのレースのプランを決める」と語った。

 ユンボ・ビスマでは、昨年のツールで総合3位に入ったステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)も前日の落車で肩を脱臼し、大会を棄権。チームのリチャード・プルッヘ(Richard Plugge)ゼネラルマネジャー(GM)は、ログリッチよりも望みが薄いと話している。(c)AFP