【7月31日 AFP】イスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」が行われているサウジアラビアで31日、「投石の儀式」が行われた。今年の大巡礼は、新型コロナウイルス感染症対策として規模が大幅に縮小されており、また儀式に用いられる小石は消毒済みのものが用意された。

 ハッジの最後の主要儀式となる投石の儀式には毎年群衆が殺到し、死者が出ることもある。ハッジには例年数百万人が訪れるが、今年は国外からの巡礼が禁止されており、最大で1万人だけが参加を許されている。

 儀式は、同国西部に位置する聖地メッカ(Mecca)近郊のミナ(Mina)の谷で行われた。猛暑に見舞われ、治安部隊が厳しく監視する中、巡礼者は「悪魔に屈辱を与える」ために消毒済みの小石を投げた。

 また31日は、イスラム教の「犠牲祭(イード・アル・アドハ、Eid al-Adha)」の初日でもあった。預言者アブラハム(Abraham)が命に応じて自分の息子をいけにえにしようとしたところ、神に救われ、代わりに羊を犠牲にしたことに由来する。

 3日間の期間中に、世界中で羊がささげられる。この間にほふられた羊の肉の多くは、貧しい人々に分け与えられる。(c)AFP