■ロックダウンで部品調達困難に

 だが需要の急増に加えロックダウンの影響で、欧米のメーカーは部品調達が困難になっている。

 欧州自転車産業連盟(Confederation of the European Bicycle IndustryCONEBI)の推計によると、欧州で販売される自転車部品の45~50%はアジアからの輸入だ。

 欧州自転車製造者協会(European Bicycle Manufacturers' AssociationEBMA)の事務局長モレノ・フィオラバンティ(Moreno Fioravanti)氏は、業界では「3か月分の部品生産が失われ、備蓄はわずか2か月で使い果たした」と語った。

 米カリフォルニア州に5店舗を持つ「サミット・バイシクルズ(Summit Bicycles)」のマーケティング部長パンチョ・ピメンテル(Pancho Pimentel)氏は、自転車は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により中断されたグローバルサプライチェーンに依存しており、その影響はあらゆる部門に出ている」と指摘する。

 CONEBIによると昨年は、欧州に主に台湾とカンボジアから730万台の自転車と電動自転車が輸入された。

 台湾を拠点とする自転車製造大手「ジャイアント(Giant)」によると、6月の欧州の売り上げは、前年比140%増となった。特に電動自転車の売り上げ急増が寄与したという。注文は来年前半までいっぱいとなっており、後半も引き続き見通しは明るいという。(c)AFP/Juliette VILROBE / with AFP bureaus in Asia and the United States