【7月30日 AFP】インドに29日、フランスから購入した戦闘機「ラファール(Rafale)」36機のうち、最初の5機が到着した。ラジナート・シン(Raj Nath Singh)国防相はこの到着に合わせて、領土問題で緊張関係にある中国への警告を暗示した。

 この調達契約は約9900億円規模と推定されており、来年末までに全機が納入される予定。

 シン国防相は、今回の戦闘機の到着は「わが国の軍事史における新時代の幕開け」だと表現。その上で、「インド空軍のこの新戦力を危惧したり、批判したりする者がいるとすれば、それはわれわれの領土の保全を脅かすことを望む者であるに違いない」と述べた。

 国防相は中国を名指しこそしなかったものの、同氏の発言は明らかに中国に向けたものだったと、メディアや識者らは指摘している。

 中印両軍はヒマラヤ(Himalaya)地域の係争地で6週間にわたり乱闘を繰り広げ、インド軍兵士20人が死亡。中国側にも死傷者が出たが、詳細は明かしていない。

 この衝突をめぐって中印両国は互いに非難しており、緊張緩和に向けた交渉を進める一方で、数千人規模の部隊を同域に展開している。

 インドは、自国が中国や他の軍事大国に後れを取っていることを認めており、今回のラファール購入も、軍事力強化を目的とした多数の戦略のうちの一つとなっている。(c)AFP