【6月9日 AFP】(更新)中国軍の戦闘機が9日、台湾の領空に一時的に侵入し、台湾軍が戦闘機を緊急発進させる事態となった。台湾政府はその直前、毎年恒例の大規模な軍事演習の実施を発表していた。

 台湾国防省は、中国軍の複数のスホイ30(Su30)戦闘機を台湾南西部へと「退けるための積極的な対応を取った」と発表。

「軍は台湾海峡(Taiwan Strait)周辺における海と空の状況をしっかりと監視しており、われわれの領域の安全を守るために積極的な対応措置を取る」と述べた。

 今回の領空侵入は、台湾国防省が大規模な実弾演習「漢光(Han Kuang)」を来月実施すると発表した後に発生。

 台湾を中国の一部とする「一つの中国」の受け入れを拒否する蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が2016年、初めて総統に就任して以来、中国は戦闘機や艦船の台湾付近もしくは台湾海峡への航行を増加させてきた。

 蔡英文総統は今年2月、両岸を隔てる「中間線」を中国軍機が一時的に越えた際、「無意味で不必要」な軍事行動だとして中国政府を批判していた。(c)AFP