【7月24日 AFP】スーダン検察当局は23日、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領(76)の統治下で1990年4月にクーデター未遂事件を起こし逮捕された軍将校28人について、地中に埋められた遺体を首都近郊で発見したと発表した。

 将校らの遺体が見つかったのは、ナイル川(Nile River)を挟んで首都ハルツームに隣接する町オムドゥルマン(Omdurman)。検察は現在、30年間にわたる強権支配の末、数か月続いた大衆デモにより昨年失脚したバシル前大統領が在職時に関わった不正行為を捜査している。

 この捜査の一環で、多数の遺体が埋まった現場が発見されたのは今回が2例目。検察によると、各分野の専門家22人の協力のもと3週間かけて場所の特定に至ったという。

 バシル前大統領と側近らは現在、ハルツームのコベル(Kober)刑務所に拘束されている。バシル前大統領は既に汚職で有罪判決を受けているほか、1989年に武装組織「民族イスラム戦線(NIF)」と連携して起こしたクーデターで国の実権を掌握した経緯をめぐって裁判が行われている。

 バシル前大統領に対しては、30万人が死亡し250万人が避難民となったダルフール(Darfur)紛争でのジェノサイド(大量虐殺)と戦争犯罪の容疑で、国際刑事裁判所(ICC)からも逮捕状が出ている。(c)AFP