【7月24日 AFP】南北アメリカ大陸に生息しているクロコダイルの複数の種は、すべてアフリカを起源とするという研究論文が23日、英科学誌ネイチャー(Nature)系列のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された。

 それらの種の祖先は、500万~700万年前に大西洋の海流に乗ってアメリカ大陸へと渡った、卵を抱えた1頭の雌の可能性があると、研究者らは推測している。

 この説は1939年にリビアの砂漠で発掘されたクロコダイルの頭蓋骨の断片の最新技術による分析に基づいたもので、遺伝的証拠によっても補強されたと研究者らは主張している。

 研究死者らは、大学の博物館に何十年も保管されていた、絶滅種のクロコダイル「Crocodylus checchiai」の700万年前の頭部と上顎の化石を再分析した。

 CTスキャンと3Dモデリングを使用して調べたところ、化石の口先の中央部に特徴的な突起があることが分かった。これは、現存するか絶滅したかにかかわらず、アフリカを起源とする他の種には見られないが、アメリカ大陸に現在生息する4種すべてにある。

 研究者らは、Crocodylus checchiaiはアフリカ系とアメリカ系の間の進化の隙間を埋める「ミッシングリンク(失われた環)」だと指摘。「約700万年前、少なくとも500万年前に、1頭かそれ以上の個体、おそらく1頭の卵を持った雌がアフリカからアメリカに渡って広がったと考えられる」と述べた。

 そうした移動が可能であることは、オーストラリアのイリエワニによって証明されている。イリエワニは、海流に乗って約1か月で500キロ移動できることが衛星追跡で分かっている。(c)AFP/Marlowe HOOD