【7月22日 AFP】スペイン3部リーグへの降格が決まったデポルティボ・ラ・コルーニャ(Deportivo La Coruna)が21日、対戦相手の選手らに新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、最終節を延期にしたリーグの「誤った」判断に異議を申し立てることを決めた。

 20年前に1部リーグを制した名門デポルティボは、対戦相手のフエンラブラダ(CF Fuenlabrada)で選手6人を含む少なくとも8人から新型ウイルスの陽性反応が出たため、他チームが最終節を消化する中で自分たちの試合だけが延期になり、座して死を待つしかなかった。

 そのためフェルナンド・ビダル(Fernando Vidal)会長は「最終節の全試合をやり直すべきだ」と主張し、クラブとしてスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ異議を申し立てる意向を表明した。

 ビダル会長は当初、「正しく行動し、全てのプロトコルをきちんと適用した」リーグの対応を称賛していたが、残留を争っていたアルバセテ・バロンピエ(Albacete Balompie)とルーゴ(CD Lugo)がどちらも勝利し、自分たちの3部降格が決まると態度を180度変えた。

「他の試合が全て実施されると聞いたときには非常に驚いた」「大きな間違いだ。最後の2節は全て同じ時間のキックオフでなければならない」「最終節はやり直すべきだ。他に解決策はない」「全員平等の原則の尊重は、最後の一線のはずだ」「こんなことがスペインサッカーで起こってはならない。世界最高のリーグをうたいながら、実際は愚か者のリーグだ」

 ビダル会長は、今回の「誤った判断」で同じように不利益を被ったと感じる他クラブからも、「不満が噴出する」はずだと話している。

 しかしスペインプロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス(Javier Tebas)会長は、最終節の「やり直しはない」と断言し、「フエンラブラダが(デポルティボ戦の)遠征を行ったのは、帯同した選手が全員事前の検査では陰性で、完璧にプレーできる状態だったからだ」と述べている。

 試合は30日の開催が予定されており、異議申し立てが認められなければ、デポルティボにとっては消化試合になるが、この一戦は他のチームにも大きな影響を与える可能性がある。

 対戦相手のフエンラブラダは引き分け以上で昇格プレーオフ圏内に滑り込むことができ、一方でそれによってその圏内から追い落とされる可能性のあるエルチェ(Elche CF)は、この試合が終わるまで中ぶらりんの状態に置かれることになる。

 スペイン国内の報道によれば、ホームアンドアウェー方式の昇格プレーオフは準決勝が8月2日と5日、決勝が8日と11日にそれぞれずれ込むという。(c)AFP