【7月20日 AFP】中国の一部地域で豪雨が降り続き河川が増水する中、同国東部の安徽(Anhui)省で、当局は19日、洪水による切迫した事態を緩和するため、堤防の一部を爆破した。地元メディアが報じた。

 同国の応急管理省によると、中部と東部の各地で水位が上昇。死者・行方不明者は140人を超え、今月に入って洪水の影響を受けた人は約2400万人に上っているという。

 主要な河川や湖の水位が過去最高を記録する中、当局は水位を制御可能なレベルに保つため、流水を調節池に誘導するなどの対策を講じている。

 安徽省を流れる●河(じょが、Chu River、●はさんずいに除)では19日、水位が記録的な水準に迫ったために堤防が破壊された。地元当局は、近隣住民の安全を確保するためと説明した。

 地元メディアは20日、長江(Yangtze River)の支流であるこの河川が「降り続く豪雨と逆流の影響で、緩やかだった水位の上昇が急激なものに変わった」と伝えた。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)によると、堤防の爆破によりこの河川の水位は約70センチ下がると見込まれている。

 中国メディアの報道によると、流水は下流にある2つの貯水池に流れ込むという。

 国営新華社(Xinhua)通信は、安徽省では18日正午(日本時間同日午後1時)までに、長江と淮河(わいが、Huaihe River)を含む、計35の河川と湖の水位が警戒レベルを超えたと報じた。(c)AFP