【7月11日 AFP】ブラジルの国立宇宙研究所(INPE)が10日に発表したデータによると、今年1~6月のアマゾン(Amazon)熱帯雨林の破壊面積が前年同期比25%増で、この時期として過去最大を記録したことが明らかになった。熱帯雨林地域の開発を推進するジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領に対し、方針転換を求める圧力が高まっている。

 INPEによると、今年1~6月のアマゾンの森林破壊面積は計3069平方キロ。2015年に衛星画像データの収集を開始して以来、この時期としては過去最大を記録した。

 森林火災が増える乾期が始まる6月単月の森林破壊面積も、前年比約11%増の1034平方キロで、過去最大となった。

 森林破壊の主な原因には、林業の違法伐採のほか、保護地区での採掘や畜牛の大規模放牧が挙げられる。

 気候変動懐疑派として知られるボルソナロ氏は、保護地区や先住民地区での農業や採掘業を奨励してきた。

 ボルソナロ氏は5月、森林火災が多発する時期を前に「環境犯罪、すなわち違法な森林伐採と森林火災に対する予防と抑制の措置」としてアマゾンに軍隊を派遣した。

 大統領府は今月9日、ボルソナロ氏が乾期も当たる4か月間の野焼き禁止令を来週にも発表する見通しだと明らかにした。広範囲が焼失した昨年のような大規模火災を防ぐことが目的で、昨年の火災をめぐっては欧米の複数の指導者らとの間で論争となった。

 しかし、軍隊の派遣にもかかわらず、INPEのデータは森林破壊が1月以降毎月、前年と比べ増加していることを示している。(c)AFP/Paula RAMON