【7月7日 AFP】英国は6日、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)後初めて、人権侵害を理由に制裁対象とする49個人・団体を記載したリストを公表した。うち25件はロシア系、20件はサウジアラビア系となっている。

 英外務省によると、リストに掲載されたロシア関連の個人や団体は、弁護士のセルゲイ・マグニツキー(Sergei Magnitsky)氏の死に関わった容疑、サウジ関連はジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の死に関わった容疑があるという。

 注目に値する名前の一つは、2018年に在トルコ・サウジアラビア総領事館内でカショギ氏を殺害した実行犯チームを指揮したとされるサウド・カハタニ(Saud al-Qahtani)氏だ。

 リストには複数の北朝鮮人も記載されている。名指しされた個人は全員、英国内の資産を凍結され、また入国が制限される。

 英国が独自に人権侵害が疑われる個人や団体を罰するためにリストを作成し、制裁を科すのはこれが初めて。これまでは、欧州連合と国連(UN)の制裁リストに従っていた。

 このリストの発表を受け、ロシア政府はすぐさま激しい怒りをあらわにした。在英ロシア大使館は声明で「英国の非友好的な決定に関し、ロシアは報復措置を講じる権利を有する」と反発した。

 一方、米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は、ポスト・ブレグジットの外交方針の一例だとして英国の動きを支持した。(c)AFP/David HARDING