【4月13日 AFP】米財務省は12日、ロシアの人権弁護士セルゲイ・マグニツキー(Sergei Magnitsky)氏獄死事件などの人権侵害に関与したとして制裁対象に加えた露政府職員ら18個人の氏名を公表した。

 制裁リストに追加されたのは、マグニツキー氏の死に関与したとされるロシアの検察官、捜査官、税務官、判事ら計16人と、その他の人権侵害に関与した疑いのあるチェチェン人2人。
 
 米政府は昨年制定された「セルゲイ・マグニツキー法(Sergei Magnitsky Act)」に基づきこれら18個人の米国への渡航を禁ずるとともに、米国内資産を財務省の制裁措置下に置いた。米国民は今後、これら人物との商取引を禁じられる。

 ジェイ・カーニー(Jay Carney)大統領報道官は、「2009年にモスクワ(Moscow)で未決勾留中だったマグニツキー弁護士が死亡したことは悲劇であり、彼の死に関する調査は目に見える結果を生んでいない」と述べた。マグニツキー氏は、露当局職員による国有資産の大規模な横領を暴露した後に拘束され、勾留中に死亡している。

 米国の今回の措置に対しロシア側は、氏名の公表を非難している。ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)露大統領報道官は、米国の今回の動きは冷戦時代に敵対していた両国間の今後の関係に永続的な傷を残すことになるかもしれないと述べた。(c)AFP/Paul Handley