【7月1日 東方新報】中国商務部は先月15日、2020年春季の「中国対外貿易情勢報告」を発表した。目下、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により、中国の対外貿易はかつてない挑戦と圧力に直面しているが、全年の対外貿易を安定させる基盤はまだしっかりとしているという。新型コロナパンデミックに対する有効なコントロールがいまだできていない状況で、世界の経済貿易情勢の不確実性は非常に大きく、2020年の中国対外貿易に対する下降圧力も強い。中短期的には中国の対外貿易の発展は圧力を受け続けることになりそうだ。

 リポートによれば、目下の感染状況による中国対外貿易の影響は、供給サイドから需要サイドに転換しつつある。中国の貿易パートナー国のほとんどすべてがパンデミックに巻き込まれておおり、国際市場の需要に深刻な萎縮がみられる。外国貿易企業は手もとの注文予約のキャンセル、延期をせざるを得ず、新しい契約もままならない。産業チェーン、サプライチェーンは寸断され、一部分の輸入原材料や重要な設備、部品の供給が困難になっており、価格が上昇し続けている。国際輸送の遅延が起きており、物流コストも増加、ビジネス商談も障害が多く、企業の契約や発注のますます困難になっている。

 公式統計によれば、今年の前半5か月の中国輸出入総額は前年同期比で4.9%減、うち輸出額は4.7%減、輸入額は5.2%減となっている。短期的には、中国の対外貿易が直面するリスクと挑戦は未曾有(みぞう)の厳しさだ。だが、長期的には中国の対外貿易は強靱(きょうじん)で潜在力、競争力ともに強いと、リポートは結論をまとめている。

 また中国は最近、新たな一連の対外貿易安定のための措置を打ち出し、対外貿易ローンを増額して、企業の資金需求に対応したり、オンラインで見本市などを開催したり、Eコマースの発展を加速させ、国家が重視している市場における企業に対しては、ハイクオリティの海外倉庫建設や国際マーケティングネットワークの構築を支援したりもしている。

 リポートによれば、商務部として、小康社会(そこそこ豊かな社会)の建設目標をあらゆる方面から推進し、感染症予防管理と対外貿易発展の任務をセットで推進し、対外貿易の基盤を安定させるために、「5つの最適化」(貿易国際市場のレイアウト、国内地域のレイアウト、対外貿易商品の構造、経営主体の構造、貿易方式の最適化)と3つの建設」(対外貿易の変革とレベルアップのためのインフラ建設、貿易プラットフォーム建設、国際マーケティングネットワーク建設)を深く推進していく、としている。(c)東方新報/AFPBB News