【6月22日 AFP】男子テニス、世界ランキング19位のグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)が21日、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が主催する大会を途中棄権した後、新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを明かした。

【関連記事】ジョコビッチ、母国での主催大会で感涙「子どもの頃思い出して」

 ディミトロフは自身のインスタグラム(Instagram)で、「ファンの皆さんと友人にお知らせしたい。モナコへ戻った後、新型ウイルスの検査で陽性となった」「迷惑をかけることになったかもしれず、本当に申し訳ない。今は家へ戻って療養している」と話した。

 ディミトロフは前週末、世界ランク1位のジョコビッチが主催した慈善大会アドリア・ツアー(Adria Tour)の1週目に同3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)、同7位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)らと共に出場した。

 そして20日には、アドリア海に面したクロアチアのザダル(Zadar)で、バルカン半島での2週目の戦いに臨んだが、ボルナ・チョリッチ(Borna Coric、クロアチア)に敗れた後、体調不良を訴えて棄権していた。

 ディミトロフの陽性を受けて、21日に予定されていたジョコビッチとアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)の決勝は、安全を考慮してすぐさま中止が決まった。大会にはズベレフや2014年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2014)王者マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)も出場していた。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制した元選手で、ザダル大会の責任者であるゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏は、地元メディアに対し「これが最善の決断だ。関係者全員の安全に気を配らなくてはならない」「グリゴールと接触した人間は検査を受ける。私は3日前にたまたま検査を受けたが陰性だった」と話した。

 ディミトロフは「この数日間に僕と接触した人が、確実に検査を受けて必要な措置を取るようにする」と話している。

 ジョコビッチの弟で、アドリア・ツアーの総合ディレクターを務めるジョルジェ(Djordje Djokovic)は、クロアチアのスポーツ紙スポルツケ・ノヴォスティ(Sportske Novosti)に対して「ノバクはこの件を重く受け止めている。セルビアとクロアチアの政府から指示された対策はすべて取っていた」と話した。

 アドリア・ツアーは、新型ウイルスの影響で3月中旬から中断しているプロツアーの日程の穴を埋めるために組織された大会で、前週セルビアのベオグラードで開催された1週目の大会では、ジョコビッチが所有するテニスセンターに1日約4000人のファンが集まった。

 その後、ディミトロフやジョコビッチ、ティエムらの選手数人は、人出の多いベオグラードのナイトスポットでパーティーを楽しんでいるところが目撃されている。(c)AFP