【6月18日 AFP】全米で人種差別への抗議デモが続く中、米食品大手のペプシコ(PepsiCo)とマーズ(Mars)は17日、黒人をマスコットキャラクターに起用した米老舗ブランドの変更や見直しをそれぞれ発表した。

 米企業各社は、黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で警察に拘束された際に死亡した先月の事件をきっかけに拡大する人種差別反対のデモを受け、自社ブランドの再検討を迫られている。

 ペプシコは、傘下企業クエーカーフーズ・ノースアメリカ(Quaker Foods North America)が製造販売するパンケーキ粉やシロップのブランド「アント・ジェマイマ(Aunt Jemima、ジェマイマおばさん)」について、黒人女性の顔のイラストをあしらった製品シリーズの販売を終了すると発表した。

 オートミールで知られるクエーカーフーズのマーケティングを担当するクリスティン・クロープフル(Kristin Kroepfl)副社長は、「アント・ジェマイマ」のブランド起源について「人種的ステレオタイプに基づいたものだと認識している」と述べた。

「アント・ジェマイマ」ブランドには130年以上の歴史があり、ペプシコによると「出自はさまざまながら家族のために最高品質の製品を求める愛すべき母親像の象徴」として「時代と共に進化してきた」という。現行ブランドの使用は2020年第4四半期から中止し、新しい名称を発表するとしている。

 ペプシコはまた、「黒人社会における有意義かつ継続的な支援と関与」に今後5年間で少なくとも500万ドル(約5億4000万円)を寄付する計画も明らかにした。同社は16日にも、「黒人社会の向上」に4億ドル(約430億円)を投資し、社内でも黒人の登用を増やすと発表している。

 一方のマーズは、黒人男性のイラストを商標としている米飯ブランド「アンクル・ベンズ(Uncle Ben's、ベンおじさん)」について、商標デザインを含め「進化させる」と発表した。「黒人の人々を中心とする顧客の声や、世界各地の取引先の声」に耳を傾け、決定したという。(c)AFP/Chris Stein