【6月18日 AFP】米国で警察に拘束された際に死亡した黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)の弟のフィロニーズ・フロイド(Philonese Floyd)さんは17日、国連(UN)人権委員会で演説し、「米国では黒人の命は大切ではない」ため国連にアフリカ系米国人の支援を求めた。国連のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官は、数百年の差別に償いをするよう強調した。

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 フィロニーズさんは米国と世界各地での「体系的な人種差別」を議論する国連人権理事会(UNHRC)の緊急会合で、熱のこもったビデオ演説を行った。

 フィロニーズさんは兄のフロイドさんについて、目撃者が力の行使をやめるよう警官に訴える中「拷問を受けて死に至った」と指摘。「われわれ黒人に対し、米国では黒人の命は大切でないという、またもや同じ教訓となった」と明言し、シリア内戦などの重大な危機のために設けられる、国連の中でも最高水準の調査機関の一つ、独立国際調査委員会の設置を求めた。

 バチェレ氏は、フロイドさんが警察の拘束下で死亡するという「理由のない残虐行為」には、アフリカ系の多くの人々に害を及ぼす人種差別が集約されていると言明。各国に奴隷制と植民地主義の遺産に向き合い、償いをするよう強く要求した。(c)AFP/Robin MILLARD