【6月22日 CNS】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のバインブルク湿地では、6月に入って気温が上昇するのに伴い、ハクチョウのひなが次々と卵からふ化している。地元の野生動物保護ステーションのスタッフは、今年は湿地でハクチョウのひなが3000羽以上誕生すると予測している。

 新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州(Bayingolin Mongol Autonomous Prefecture)和静県(Hejing)にあるバインブルク保護区は、中国のハクチョウの繁殖地の一つ。ハクチョウが繁殖しやすい環境を守るため、バインブルク国家級自然保護区管理局のハクチョウ保護隊巡査員たちは数日ごとにハクチョウの様子を確認している。

 巡査員の那青(Na Qing)さんは「5月末から6月初めは、卵がふ化する時期。馬に乗ったり歩いたりして、週3回以上はパトロールしています。一部の場所ではカメラを使って観察しています。ハクチョウが安心して繁殖できることを願っています」と話す。

 野生動物を保護する意識が高まり、地元の牧畜農家も進んでハクチョウ保護活動に協力している。ハクチョウの生息地の近くに住む包力代(Bao Lidai)さんは20年以上前から、ハクチョウのふ化シーズンにパトロールをしている。「ハクチョウは私たちにとって子どものような存在。この地域で一緒に暮らしているようなものなので、保護するのも私たちの責任です」

 バインブルク湿地には毎年3月から4月にかけて、1万羽ものハクチョウが飛来して生息。10月から11月にかけて旅立つ。保護区の生態環境が改善されているのに伴い、ハクチョウを含む多くの野生動物の数も年々増加し、活動領域も広がっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News