【6月16日 AFP】(写真追加)米政府は新型コロナウイルスに対するワクチンが確保できた場合に、高齢者や重症化しやすい基礎疾患のある人、いわゆる「エッセンシャル・ワーカー」に優先的に接種を行う方針を固めていることが16日、政府関係者の話で明らかになった。

 米政府は「ワープスピード作戦(OWS)」と名付けて、2021年1月までに新型ウイルスのワクチン3億回分の調達を目標としており、製薬会社の財務リスクを軽減するために開発費の投資を行っている。当局者は「ワクチンの承認・認可前に、ワープスピード作戦によってワクチン配布に必要な計画とインフラを構築する」と述べた。

 当局は、インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)の際に採用した10年来の方法に従って、新型ウイルスのワクチンを段階的に配布することを想定している。この政府高官は、「高齢者や基礎疾患のある人、必要不可欠なサービスを提供している人が優先される」と述べた。ただし、「どういった人々がワクチンを接種すべきかは、臨床試験の結果による」としている。

 また別の関係者は候補となっているワクチン候補の安全性はまだ不明だと強調し、特定の層には適さないことが判明する可能性がある点にも言及しつつ、「おそらく今年の終わりまでに2000万、3000万、あるいは4000万人の米国人が新型コロナウイルスに対する強い抗体を持つようになると思われ、そうした人々の優先順位は低くなるだろう」と述べた。

 強力なワクチンの開発は100%保証されているわけではないが、関係者らは、来年のインフルエンザのピーク時までにリスクの高い人やワクチンを希望する人への接種に十分なワクチンを用意することが目標であり、保険業界では顧客が追加料金なしでワクチンを接種できるようにする方向だと述べている。(c)AFP