【6月15日 AFP】米大統領選で再選を狙って過酷な選挙運動を開始しようとしているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に、再び健康不安説が浮上している。74歳の誕生日を迎えた前日の13日、陸軍士官学校の卒業式に出席した際に足元がおぼつかない様子を見せたからだ。

 大統領の健康は常に厳しく詮索されるものだが、トランプ氏は普段、年齢の割には元気そうで、今月初めに発表された定期健診の結果も、体重が約110キロと太り過ぎだった以外は特に異常なしとされた。

 しかし13日、ニューヨーク州ウエストポイント(West Point)にある陸軍士官学校の卒業式に出席したトランプ氏は、おぼつかない足取りだった上、演説での発話にも問題がある様子で、不調を示す証拠ではないかと新たな疑問が投げ掛けられている。中でも広く拡散された動画には、スピーチを終えて壇上から降りようとするトランプ氏が、長いスロープをたどたどしく歩く姿が捉えられていた。

 トランプ氏は、11月の大統領選で対立候補となる3歳年上の民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏の健康や認知力を常日頃冷やかしてきたが、選挙戦を展開していく上で自らの体力問題が重くのしかかる可能性がある。

 トランプ氏は、話題になったこの動画にツイッター(Twitter)で反論し、「ウエストポイントの卒業式のスピーチの後に下りたスロープは、非常に長く(角度が)急で、手すりもなく、何よりまず、とても滑りやすかった」「絶対に避けなくてはならないことは転ぶことだった。『フェイクニュース』に格好のネタを提供することになる。最後の10フィートは駆け降りたよ、勢いで!」と、自らの足取りのおぼつかなさを説明した。だが現場にいた記者らは、天気は晴れていて湿気はなく、スロープも特に急ではなかったと述べている。

 トランプ氏は同じく13日、水の入ったグラスを片手で持ち上げて口元まで運ぶのに苦労する様子を見せ、最初に右手でグラスを上げながら、途中でそれを支えるように左手を添えた。