【6月14日 AFP】香港の警察当局は13日、前夜に民主派によるデモを取材していた報道陣を退散させた際、「I can't breathe(息ができない)」「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」と叫んだ警官をけん責処分としたと発表した。

 この警官は機動隊に所属しており、12日夜に油麻地(Yau Ma Tei)で実施された民主派デモを受け出動。同警官の機動隊チームはこの日、デモを取材する報道陣を解散させようと対応していた。

 オンライン上に投稿され、瞬く間に拡散された映像には、記者らが退くよう求められているところに、報道陣に向かって「I can't breathe」と叫ぶ警官の姿が捉えられている。また、「Black Live Matters, here is not America(黒人の命は大切、ここは米国ではない)」との声も聞かれる。

「I can't breathe」というフレーズは先月25日、米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で白人警官の拘束下で死亡した黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが、亡くなる前に叫んでいた言葉。米国で繰り広げられる人種的平等を求めるデモで参加者らが用いている。

 香港警察によるとこの警官は、この発言をめぐってけん責を受けた。

 警察はメールで、「警官は、常にプロフェッショナルなありようを示し、もっと注意を払うよう叱責とけん責を受けた」と説明。

 この警官はバッジの番号で確認したところ、 AFPの記者に対しても同日夜、「Black Lives Matter」と叫んでいた。

 警官はこの発言で何を意図しているのか問われたところ、「われわれは世界で一番だということだ」と答えた。(c)AFP