【5月31日 AFP】米国の多くの都市で、警察に拘束された黒人男性が死亡した事件に抗議する暴動や、デモ隊と警察との衝突が発生する中、中国の国営メディアは今週末、この事態を香港の民主派の動向と並べ立てて米政府への批判を展開した。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)の胡錫進(Hu Xijin)編集長は30日付の同紙上に、「米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長はかつて、香港の暴力的な抗議活動を『目を見張る美しい光景』と呼んでいた。米国の政治家は今や、自宅の窓からその光景を楽しむことができる」と記した。さらに、「まるで香港の過激な暴徒がどういうわけか米国に忍び込み、昨年のように混乱を生み出したかのようだ」とつづった。

 また中国の政府系英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は31日、中国が香港に「国家安全法」を導入する方針を決定し、それを受けてドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が香港に対する優遇措置を撤回する方針を発表したことについて、米政治家たちは中国を「苦しめる」ことを夢見ていると主張。

「そのような夢は諦めて、現実に戻った方がよい」と指摘し、「暴力が米国各地に広がっている」「米国の政治家たちは他国で新たな問題や厄介事を生み出そうとするのではなく、自国で自分たちの仕事を果たし、問題解決の役に立つべきだ」と書き立てた。(c)AFP