【6月17日 AFP】米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)の死とそれに続く全国的な抗議デモを受け、多数の家庭では人種差別についての話し合いが起きている。だが、米社会で育つ黒人の子どもはそこで直面する危険を学ばなければならず、それを教える「トーク」は多くのアフリカ系米国人の親にとって、ずっと以前から必須のものとされてきた。

 ティファニー・ラッセル(Tiffany Russell)さん(26)は「子どもと『トーク』をしない黒人の親は見たことがない」と語る。「今は間違いなく、そのいい機会だ」

 ラッセルさんが3歳のときに起きた劇的な出来事の後、母親が彼女を座らせて何が起きたかを説明し、将来どう振る舞うべきかを助言した。「どんな行いをするか、どんなふうに反応するか、気を付けなければだめだと」

「攻撃的になり過ぎたり、怒り過ぎたりしてはいけない。母親が私に言ったのは、警官が私を止めたら何も言わずにただ聞きなさい。たとえ腹を立てていても、腹を立てていることを表に出してはいけないと」

 4人の子どもの父親グレン・ヘンリー(Glen Henry)さんは、年長の5歳と7歳の子どもには、遭遇する可能性の高いことを重点的に、どう振る舞うべきかについてより少ない言葉で語った。

 ユーチューバーのヘンリーさんは、話し合いを撮影して投稿した。妻のイベットさんはそんなに早くその話題を投稿することに、最初は反対した。ヘンリーさんは今回の出来事は、人種差別主義について「これを知らなくてもいい子どもたち」と話し合うことを正当化するものだと、イベットさんを説得した。

 一方、ラッセルさんにとっては、子どもたちの目を覆うのは「正しくない」。

「それによって私たちの純真さや子ども時代の何らかを奪われたとは思わなかった」とラッセルさん。「自らの行動を意識するようになった」「それが現実なのです」