【6月9日 CNS】中国国務院新聞弁公室が7日、「新型コロナ肺炎との闘いに関する中国の行動」白書を発表した。

 記者会見では、中国科学技術部の王志剛(Wang Zhigang)部長が、中国の意思として「ワクチン開発と臨床試験の後、使用可能になった暁には、世界共有のワクチンとして全世界に提供する」と表明した。

 ワクチンの開発について、王部長は「各国とも非常に重要視し開発に力を注いでいるが、ワクチン開発は非常に複雑で難度が高く、開発所要期間も長い。極めて大きなチャレンジであり、不確実性も大きい」と前置きし、「ワクチン開発は安全性、有効性および普及性の確保が重要だ。開発には、ウイルス分離、実験室でのワクチン組成、細胞試験、動物試験、臨床研究、量産までの段階を終えた後、薬品監督管理当局の批准を得て、初めて市場に提供できる」と説明した。

 白書によると、中国は「不活化ワクチン」「組み換えウイルスベクターワクチン」「弱毒インフルエンザウイルスベクターワクチン」「アデノウイルスベクターワクチン」「核酸ワクチン」など5本のテクノロジーロードマップで研究開発を行っている。現在は4種の不活化ワクチンと1種のアデノウイルスベクターワクチンを一定の数量規模で臨床試験を行っており、研究開発の進展度は総体的に海外と同様、一部のロードマップでは先頭を走っているという。

 白書には「関係各国や世界保健機関(WHO)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、ワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVIアライアンス)などの国際機関と協力し、ワクチン開発と薬物臨床試験を加速させる」と記されている。

 王部長は「次に取り組むべきことは、中国製ワクチンの開発と臨床試験が完了し、使用可能となった段階で、習近平(Xi Jinping)国家主席が第73回WHO大会で述べた『ワクチンを世界共通のものとして全世界に供給する』という約束の実現だ」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News