【5月12日 CNS】10日より始まった「クラウド上の中国ブランド日」と題するイベントで、北京のワクチン開発会社「科興控股生物技術(Sinovac Biotech)」が注目されている。関係者によると、臨床研究を順調に進めている以外、ワクチンの製造工場も建設中で、7月には試生産を開始する予定だという。

 このイベントには、北京から科興を含む18社が参加。少し前には、著名な米国の学術雑誌「サイエンス(Science)」で、中国医学科学院など複数の機関と科興が共同で行った新型コロナウイルスのワクチンの動物臨床実験の研究成果を掲載していた。

「われわれはヒトに一番近い実験動物のアカゲザルを使い、実験を行った。ワクチンを接種したサルは高濃度の新型ウイルスの攻撃を受けた時、ウイルス量(VL)はすでに下がってきており、7日後にはウイルスはいなくなった。同時に病理的な変化も見られなかった。これは実に喜ばしい出来事だ」と尹衛東(Ying Weidong)董事長は語る。

 尹董事長によると、ワクチンの臨床研究は順調に進んでいる。一期臨床試験には144人の志願者が参加、二期臨床試験には600人が志願した。「今のところ、深刻な不良反応に関する報告はなく、安全性は良好だ。この研究は慎重に行っており、ダブル・ブラインド・テストなどが必要で、国家薬監局に対して報告や登記も必要」と語る。

 多くの人が関心を寄せる「ワクチンはいつ頃投入可能か」の問題に対して、科興の責任者は「具体的にいつになるとは言えない。ただ、臨床研究の速度は加速している。通常のワクチン開発は、一期、二期、三期と分けて実施し、特に三期目は疾病の流行の周期を観察するため、2年から3年はかかる。ただ、新型ウイルスの場合、加速して二期まで進んでいる。1月にウイルスを発見し、5月には二期に入っているということは、速度は相当速い」と回答した。

 現在、「大興生物医薬園」で約7万平方メートルの産業化基地が準備され、ワクチンの製造工場も24時間態勢で建設中で、7月には試生産が開始される見込みという。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News