【6月7日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州で、妊娠中のゾウが爆発物の詰まった果物を食べて死んだ出来事をめぐり、当局は6日、警察が農園労働者の男を逮捕し、別の関係者2人を捜索していると明らかにした。

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 15歳のゾウは先週、重傷を負った口と胴体が水に漬かった状態で川の中に数時間立ち尽くしたまま、徐々に衰弱して死んだ。その様子を捉えた映像が拡散されると、インターネット上に戦慄(せんりつ)が走った。

 逮捕されたのは、ゴム園で働くP・ウィルソン(P. Wilson)容疑者。同容疑者は5日、主に野生のイノシシといった動物をゴム園に近づけないようにするため、爆発物を詰めた果物を置いたとして逮捕された。

 ケララ州野生生物当局のトップを務めるスレンドラ・クマール(Surendra Kumar)氏はAFPに対し、「男は、野生動物を狙って爆発物を詰めたココナツを使用したことを認めた」と述べ、関係者2人が今も逃亡中だと明かした。

 クマール氏によると、男たちは5月の第2週に「ココナツ爆弾」を複数製造し、プランテーションの境界線付近に置いたという。当局は爆発物の入った果物をゾウがいつ食べたのか正確には分からないとしているものの、ゾウが負傷した状態で発見されたのは先月25日で、その2日後に死んだ。

 森林当局者は、爆発によってこのゾウが口に重傷を負い、数日間食べたり飲んだりすることができなくなっていたと話している。

 有罪となれば、同国の野生生物に関連する法の下、保護対象の動物であるゾウを殺したことで最高7年の刑期が科せられる可能性があるという。

 南アジアでは最近、都市化によってさらに森林が失われたことによって大型動物と人間とのあつれきが増え、被害が相次いでいる。

 インド各地の村人たちは、自分たちの作物や家を脅かす野生動物を狙ったわなとして、圧力式地雷の要領で起爆する爆発物の詰まった果物をしばしば使用する。(c)AFP/Jalees ANDRABI