【6月4日 AFP】米ミネソタ州の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察の拘束下で死亡した事件を受け、試合中に抗議したドイツ・ブンデスリーガ1部の選手について、ドイツサッカー連盟(DFB)は3日、処分は科さないと発表した。

 DFBは発表文の中で、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のジェイドン・サンチョ(Jadon Sancho)とアクラフ・ハキミ(Achraf Hakimi)、シャルケ04(Schalke04)のウェストン・マケニー(Weston McKennie)、ボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)のマルクス・テュラム(Marcus Thuram)は「連帯の象徴」であるとして、処分を下さないと記した。

「フロイドさんの死や人種差別に抗議する選手が今後の試合でさらに現れても、この措置が取られる」

 ドルトムントがSCパーダーボルン07(SC Paderborn 07)に勝利した先月31日の試合で、ゴールを決めたサンチョはユニホームを脱ぎ「ジョージ・フロイドのために正義を」と書かれたシャツを見せた。サンチョにはイエローカードが提示されたが、それはメッセージを発したことではなく、ユニホームを脱いだことに対するものだった。

 ハキミとマケニーも同様の訴えを発し、テュラムは元米ナショナルフットボール(NFL)のコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が2016年に始めた警察の暴力に対する抗議のポーズにならい、得点後に膝をついた。

 DFBのフリッツ・ケラー(Fritz Keller)会長は「管理機構の先を見据えた決定を歓迎する。とてもうれしく思う」「DFBはいかなる形の人種差別や差別的行為、暴力にも反対し、寛容性や開放性、多様性を支持する」と述べた。(c)AFP