【5月28日 AFP】ロシア連邦税関庁は27日、禁輸対象品目に指定されている欧州産のチーズ約40トンをサンクトペテルブルク(St. Petersburg)近郊の港で発見し、押収したと発表した。チーズの入ったコンテナ4基には、ゴム製品の原材料と表示されていたという。

 押収されたのはドイツ産の青かびチーズ「ドルブルー(Dorblu)」や、イタリア産のハードチーズ「グラナ・パダーノ(Grana Padano)」など。コンテナ内にはインスタントコーヒーやチョコレートビスケット、洗剤なども入っていた。

 現在、当局が密輸の首謀者を追跡している。

 ロシアは2014年、ウクライナ東部クリミア(Crimea)半島を自国領に編入。これを受けて欧州連合(EU)が対ロシア経済制裁を発動すると、対抗措置としてEU加盟国産の生鮮食品のほぼ全面的な禁輸に踏み切った。

 ロシアの乳業組合によると、国内のチーズ生産業は欧州企業との競争がなくなったおかげで、2013~18年に30%以上の伸びを見せた。だが、ロシアで大量生産されるチーズは品質が低いことが多く、職人の作ったチーズは非常に高価だという問題がある。(c)AFP