【5月27日 AFP】米アフリカ軍(AFRICOM)が26日、リビア内戦で同国東部を拠点とする軍事組織を率いるハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官の陣営側の傭兵(ようへい)を支援するため、ロシアが最近戦闘機を派遣したと指摘した問題で、米アフリカ軍は同日後に、そのロシア機を捉えたとする写真をツイッター(Twitter)上で公開した。

 独シュツットガルト(Stuttgart)に司令部を置く同軍は、ロシアを飛び立った戦闘機が、まずシリアに立ち寄って「ロシアのものと分からないよう偽装するため塗装し直し」、リビアに到着したと指摘。

 飛行時期は言明せず「最近」と述べるにとどまっているが、これによりロシアは、国連(UN)が9年前に導入した対リビア武器禁輸措置に再び違反したものとみられる。

 米国防総省のジョナサン・ホフマン(Jonathan Hoffman)報道官は首都ワシントンで、ロシア軍が「戦闘機およそ14機」を派遣したと発表した。

 米アフリカ軍はツイッターに、空軍基地に駐機中のミグ29(MiG29)やスホイ35(Su35)など、ロシアの戦闘機を撮影したものとする複数の画像を投稿した。

 この発表についてAFPがロシア国防省に取材を求めたところ、「今はコメントしない」との回答だった。

 国連の専門家は先月の報告書で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に近いとみられ、現地で暗躍する民間軍事会社ワグネル(Wagner)が、ハフタル司令官率いる軍を支援するためにリビアに傭兵らを派遣していたと発表。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)に提出された同報告書によれば、リビアにはワグネルの傭兵が800〜1200人いると推定されている。

 米軍のスティーブン・タウンゼンド(Stephen Townsend)大将は米アフリカ軍の発表に際し、「ロシアはあまりに長い間、進行中のリビア内戦への全関与を否定してきた。今は否定はないようだ」と述べ、「ロシアは明らかに、リビアで自国の有利になるよう局面の操作を試みている」と指摘した。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK