【5月17日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は16日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で来年への延期が決まった東京五輪について、準備期間における警戒と忍耐の必要性を主張した。

 この日、スポーツを通じた健康な社会の促進と、非感染性疾患の予防への貢献で、世界保健機関(WHO)と覚書を交わしたIOCのバッハ会長は、開幕までにワクチンが見つからなかった場合における大会での対人接触対策を問われ、「五輪までは1年2か月ある。WHOの助言を頼りにしたり、作業部会で議論をしたりしながら、適切な時期に必要な判断を下していくつもりだ」と答えた。

「しかしながら、2021年7月の時点で世界がどのような状況にあるか、現時点で信頼性の高い回答ができる人はいないと思う」「だからわれわれは、常に油断せずに警戒しながら、忍耐強く、五輪に関わるすべての人が安全に参加できるように適切な措置を取らなくてはいけない」

 IOCは3月、今年7月24日に開幕予定だった東京五輪の日程を2021年7月23日〜8月8日に変更すると発表。五輪の延期は平時では初めてで、歴史的な決定となった。世界の新型コロナウイルスによる死者数は30万人を超え、約450万人の感染が確認されている。(c)AFP