【5月20日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)によって、今年は厳しい世界的不況が予想されている。中でも打撃が集中しそうなのが多国籍企業だ。

 イタリアの銀行メディオバンカ(Mediobanca)の調査部門は12日、今年第1四半期(1~3月)の決算に基づく勝ち組と負け組を産業別にまとめた。

<勝ち組>

■インターネット産業

 業績が最も好調なのは、インターネット業界の多国籍企業で、新型コロナウイルス危機による最悪の時期にも勢いを維持し、収益は前年同期比17.4%増、純利益は同14.9%増となった。

 新型ウイルスのパンデミック下で成長をけん引したのは、在宅勤務の増加に伴うクラウドサービス(同27.4%増)、新規サービス登録(同26.5%増)、電子商取引(同22.8%増)だ。反対にオンラインの旅行販売はこの四半期、大きな打撃を受けた。

■大規模小売業

 メディオバンカによると、ウイルスの大流行によって「量販部門で前例のない需要の増大」が起きた。ただし消費者が購入する商品の内容には変化があり、食品や健康・衛生用品(手指用除菌ローションなど)が増加する一方で、必要性が切迫していないものは減少した。平均すると同部門の売り上げは同9.1%増、純利益は同34.8%増だった。

■医薬品産業

 抗ウイルス剤や呼吸器系薬剤の売り上げ上昇が、同部門の成長をけん引した。だが新型コロナウイルス感染症に関連しない診察や外科手術の減少による他の薬剤の需要減により、一部は相殺された。同部門の売り上げは同6.1%増、純利益は同20.5%増だった。