【5月17日 CNS】中国・広州(Guangzhou)税関によると、8日早朝、税関総署密輸取締局の統一指揮の下、「奮戦09」と名付けられたツバメの巣密輸取り締まり作戦を実行。一挙に七つのツバメの巣密輸グループを摘発し、容疑者13人を逮捕、密輸されたツバメの巣約19トンを差し押さえた。事件総額は概算で1億3300万元(約20億円)に上るとされる。

 ツバメの巣はアマツバメ科に属するアナツバメの唾液と柔らかい羽毛の一部が混合し固まったもので、高級食材として珍重される。主な産地は東南アジアから太平洋の島々だ。中国はツバメの巣の主な消費市場で、消費するツバメの巣はほとんどすべてが輸入による。近年、消費増加に伴い、中国内地の市場では、ツバメの巣の需要が高まっている。

 広州税関密輸取締局の責任者によると、広州税関は人工知能(AI)を活用した捜査を行う中で、国内のツバメの巣の荷主が、マレーシアのツバメの巣の工場に発注後、1キロあたり200元(約3000円)の費用で、容疑者らを雇い、密輸ルート経由で中国に持ち込んでいる手掛かりをつかんだ。さらに捜査を続けると、状況が徐々に明らかになった。

 密輸グループを率いる容疑者は、マレーシアからツバメの巣を郵便で香港まで郵送し、珠江(Pearl River)経由の水路による密輸ルートで国境を越え、中国に入ってからはさらに宅配便で広州市、仏山市(Foshan)、汕頭市(Shantou)などに送り利益を得ていた。

 今月8日早朝、税関総署密輸取締局の統一指揮の下、広州税関は事前に決めた段取りに従い、広東省内の複数の地域で同時に摘発活動を実行した。摘発の中で、税関は現場で密輸商品を取引中だった容疑者2人を逮捕するとともに、密輸ツバメの巣約100キロを差し押さえ、同時に密輸ツバメの巣の倉庫兼加工場を摘発し、冷凍庫と乾燥室で大量の密輸されたツバメの巣を差し押さえた。

 税関によると、関連法律規定ではツバメの巣(缶詰のツバメの巣は除く)などの動物製品の携行持ち込みや海外からの郵送による持ち込みは禁止とされている。動物製品を輸入する必要がある場合、入境前に動植物検疫手続きを済ませ、入境時には輸出国が発行した検疫証明を通関地の税関に提示し、輸入申告を行い、正常な通関手続きを終了し、税金と費用を支払い、検疫結果合格後、初めて国境を越えることができる、としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News