【5月14日 AFP】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方のインド側で13日、男性(25)が検問所で兵士に射殺された。これを受け、多数のデモ参加者が怒りの声を上げ、印政府軍の兵士らと衝突した。当局と地元住民が明らかにした。

 インド政府は昨年8月、ヒマラヤ(Himalaya)地域にありイスラム教徒が多く住むジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の自治権を剥奪した。ジャム・カシミール州は昨年10月31日にジャム・カシミールとラダック(Ladakh)の二つの連邦政府直轄地に分割され、ジャム・カシミールでは事態の沈静化を図るため夜間外出禁止令が出され、緊張が高まっていた。

 死亡した男性は、ジャム・カシミールの夏季の行政府所在地、スリナガル(Srinagar)郊外の検問所付近で車を運転していたところ、治安部隊の兵士らに銃撃された。警察は、「疑わしい状況」の中、検問所2か所で止まるよう指示したものの男性が無視したため、兵士らが車に向かって発砲したと述べた。

 目撃者はAFPに対し、男性は検問所で兵士らの質問に答えるため車から降り、その後車に戻ろうとした際に撃たれたと話している。

 男性死亡のニュースが広がると、多くの住民が通りに出て反インドデモに参加し、「インドは帰れ!」「自由をわれらに!」などと叫んだ。

 投石する覆面姿のデモ参加者らも見られ、軍はデモ隊を解散させるため催涙弾や散弾を発射した。衝突が激化したことを受け、同地域では携帯電話のサービスも停止された。(c)AFP