【5月15日 東方新報】免疫力を高める、がんを抑制する、男性をとりこにする…といった裏付けのない医学的効能をうたった医療美容機関や商品の広告、あたかも権威ある医療機関や医者のお墨付きがあるように見せかけた宣伝や新聞記事など、虚偽の医療美容機関・商品広告があふれる中国で、国家衛生健康委員会、市場監督管理総局など八部門は先月28日、「医療美容総合監督管理執法工作のさらなる強化に関する通知」を発表した。

 これにより、医療美容関連の広告において、非医療機関が医療広告を出すことを禁ずるとし、特に美容医療のニュース記事・番組形式の広告や、医療相談サービス風の装いで医療広告を出すことも、虚偽宣伝として禁止されるとした。

 中国では誇大広告や虚偽広告を公式メディアが堂々と掲載することもあり、消費者がだまされる問題はあとを絶たない。中でも医療美容関連の虚偽広告は、高い費用を支払ったうえに効能がないだけでなく、健康や美容にむしろ悪影響を与える可能性もある。おりしも新型コロナウイルス肺炎の流行で、健康維持や免疫力アップなどに庶民の関心が集まっているなか、こうした虚偽広告への取り締まり強化が必要にせまられている。

 医療美容関連の虚偽広告問題は古くて新しいテーマであり、例えば2018年から2019年だけでも、山西省(Shanxi)運城市(Yuncheng)の地元ラジオテレビ局が「米国の最先端画像診断を独自で採用した無痛で安全の胃腸検査」の広告を総合ニュースかのように流していたが、その広告内容は広告審査証明を得ていない虚偽広告だった事例、上海のインターネット企業が制作したネット番組で、医者をゲストに招いた医療番組スタイルで、女性用回春薬の処方や効能をもっともらしく説く宣伝する虚偽広告をおこなった事例、「上海復旦大医院」というあたかも上海復旦大学(Fudan University)付属の病院風の名前で広告を出していた事例など、枚挙にいとまがない。いずれも発覚すれば行政処分を受け、罰金を科されている。

 今回の「通知」では、医療美容サービスは医療美容関連科を設置する医療機関で行われるべきもので、医師および医師の指導下で、営業許可を与えられた医師が責任を負って実施せねばならないと明確にされた。条件を満たしていない、いかなる機関、個人も医療美容サービスを行ってはならない、とした。また中国の市場にでまわる医薬品および第二類、第三類医療機器は製品登録管理を行い、登録の批准を受けていない製品は市場に出してはならないとした。合法的な許可を得てない医薬品、医療機器生産企業は医薬品、医療機器生産、その経営活動に従事してはならず、特に医療美容機関はきちんと生産経営資格を保有し、品質検査検疫制度を実施し、毒性をもつ薬品や麻酔薬の使用に関しては、合理的使用に照らして厳格に扱うこととした。

 医療美容広告は、広告法および医療広告管理弁法に基づき、衛生健康行政部門の審査を経たあと、批准を得た内容を医療広告とし、その内容を改ざんしてはならず、またニュース形式や医療相談コーナーなどの名目で発表してもならず、虚偽宣伝を行ってはならない、とした。また各地の関係部門は部門間の連携を強化して、情報を共有、厳格な監督管理執法を行って行政執法、刑さ事司法との連携を強化して違法美容医療を厳しく取り締まるように要求された。行政許可、行政検査、行政処罰の結果については地元の影響力あるメディアやオフィシャルサイトを通じて公開し、大衆への情報提供を強化するように求めた。(c)東方新報/AFPBB News