【5月12日 AFP】(更新、写真追加)アフガニスタンの首都カブールで12日、銃で武装したグループが産科病院を襲撃し、新生児や看護師を含む少なくとも14人が死亡した。また同国東部では、葬儀を狙った自爆攻撃が発生し、24人が死亡した。うち葬儀の襲撃について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 内務省によると、銃で武装した犯人3人が早朝、カブールにあるバルチ国立病院(Barchi National Hospital)に数時間にわたって籠城。掃討作戦を展開した治安部隊が3人を殺害した。

 現場では重武装した隊員らが赤ちゃんを運び出した。うち少なくとも赤ちゃん一人は、血に染まったブランケットに覆われていた。

 内務省報道官は「犠牲者には母親や看護師も含まれる」と述べた。また、15人前後が負傷し、外国人3人を含む100人超が救出されたという。

 カブール西部にあるこの病院は、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占める少数民族ハザラ人(Hazara)の居住地域に位置している。ハザラ人は頻繁に、イスラム教スンニ派(Sunni)の組織であるISによる攻撃の標的となっている。

 病院から避難した小児科医の男性は、匿名でAFPの取材に応じ、建物の玄関で大きな爆発音を聞いたと証言。「病院内は医師と患者がたくさんおり、内部は完全にパニック状態になっていた」と明かした。

 さらにカブールでの攻撃から約1時間後、東部ナンガルハル(Nangarhar)州では、地元の警察幹部の葬儀を標的とした自爆攻撃が発生し、州知事報道官によると、少なくとも24人が死亡した。犯人は葬儀の最中に爆発物を起爆させたという。

 旧支配勢力タリバン(Taliban)は双方の攻撃について関与を否定しているが、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領はタリバンとISを名指しで非難。同国の治安部隊に対し、タリバンなどに対する軍事作戦を再開するよう命じた。(c)AFP