【5月9日 AFP】アフガニスタンで、家族が勧める縁談を拒否した18歳の妹を兵士の兄が刺し殺す事件が起きた。同国の警察が5日、明らかにした。いわゆる「名誉殺人」とみられる。

 同国北東部バダフシャン(Badakhshan)州警察の報道担当者がAFPに語ったところによると、事件は4日、同州バハラク(Baharak)で起きた。兄は妹を殺害後、旧支配勢力タリバン(Taliban)の支配地域に逃げ込んだという。

 同報道担当者によれば、女性は最初にロープで首を絞められ、その後刃物で刺し殺された。「被害者の兄はタリバンの支配地域に逃げ込み、警察は身柄拘束のため捜索活動を開始した」という。

 同州出身の女性人権活動家も、今回の殺人事件を確認した。アシファ・カリミ(Asifa Karimi)氏によれば、被害者の女性は好きな男性との結婚を望んでいたが、家族は別の男性と結婚させたがっていたという。同氏は、「この女性は家族の縁談を拒否し、警察署を訪れたが、警察に家族の元に帰された」「兵士の兄が彼女を連れ帰り、名誉殺人として残忍に殺害した」と話した。

 アフガニスタン社会の一部は、「名誉」という厳格な規範の下で運営されており、結婚相手や教育を受けるかどうかの問題に関しては、女性に発言権はほとんどない。

 同州出身の元議員は、警察の不手際だと非難。AFPに対し、アフガニスタンでは、警察や司法機関の関係者を含む多くの人々が、家族が選んだ男性以外の相手を選んだ女性には「名誉殺人」が罰としてふさわしいと考えていると話した。(c)AFP