【5月12日 AFP】新型コロナウイルス治療薬の候補に挙げられつつ、初期研究では一致した結果が得られていなかった抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンについて、栄養補助食品の硫酸亜鉛と併用したところ治療効果の増大がみられたとする未査読論文が11日、米国のプレプリントサイトで公開された。

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 研究を行ったのは米ニューヨーク大学(New York University)グロスマン医学部(Grossman School of Medicine)で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者約900人を分析対象とした。このうち約半数には、ヒドロキシクロロキンと抗生物質アジスロマイシンとの併用で硫酸亜鉛を投与。残りの半数にはヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンのみが投与された。

 その結果、2剤併用療法と比較して、3剤併用療法を受けた患者は退院できるほど回復する可能性が1.5倍高く、死亡する可能性が44%低かった。

 ただし患者の平均入院日数(6日間)、人工呼吸器の平均使用期間(5日間)、必要とされた総酸素量に差はなかった。

 感染症の専門家ジョセフ・ラヒミアン(Joseph Rahimian)氏によると、2剤併用療法と3剤併用療法を比較した研究は今回が初めてで、疑う余地のない効果を証明するためには対照実験が必要だという。

 ラヒミアン氏は、「論理的な次のステップはプロスペクティブ研究を行い、亜鉛を投与した患者にこの効果が持続するかどうか観察して比較することだ」と述べた。

 またラヒミアン氏は、新型コロナウイルスの患者の治療で併用される場合、最も困難な作用を担い、病原体を攻撃する最も重要な物質となるのは亜鉛の可能性があると述べている。一方、ヒドロキシクロロキンは、亜鉛を細胞内に輸送する因子として作用し、その有効性を高めていると示唆した。(c)AFP