研究開発の面でナイキは他の製造会社よりはるかに先を行っているが、他の大手ライバル会社も競争が激しい市場に割り込むべく、独自製品の開発を急いでいる。

 バーンズ氏は論争を引き起こしているナイキの厚底シューズが、パフォーマンスとセールスにおいて「圧倒的」に先行しているとの認識を示し、「その理由はナイキがマーケティングにおいて優秀な製造会社」であり、世界トップクラスにいるランナーの大多数と契約を交わしていることから、「会社の認知度や宣伝効果は抜群だ」と語った。

 一方、バーフット氏は他の製造会社が大きく後れを取っていると指摘し、「世界は新しい現実に目覚めた。しかし、他のシューズメーカーがナイキに追い付くのは簡単ではなく、それには時間と試行錯誤が必要だった。それに、われわれは彼らの差がどれほど縮まっているのか、まだ分からない」と分析した。

 ランニングシューズの専門家であるバーンズ氏は、ライバル社の新製品に関して、「ナイキ製品に接近しているのは一つか二つくらいだろう」としており、「大半の会社が製造しているのは、旧モデルから一歩前進したものだという。しかしそれらの中に、新しい製品のみならず3年前に登場した最初の『ヴェイパーフライ4%』のような利益を上げるものがあれば驚きだ」と述べた。

 アディダス、アシックス、ブルックス、そしてサッカニーは今年、ナイキとホカに続き、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で来年に延期された東京五輪に間に合うように、全ランナー向けのマラソンシューズを発売することになっている。

 バーフット氏は、「今事情が違っているのは、シューズ設計に関していくらか規制が設けられていることだ。もはや西部開拓時代のような競争はできない。世界陸連の規定を踏まえると、一つのシューズが圧倒的に群を抜くのは難しくなるだろう」と述べた。

 しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行はナイキにとって有利にはたらくかもしれないと、メッツラー氏は反論しており、「一部のブランドは、今回のパンデミックでシューズの発売が遅れたり延期になったりしている。シューズ販売やマーケティングが減少しているのは、競技会やイベント、そしてランニングシューズ店が休業になったり、閉鎖されたりしているためだ」と分析した。

 また、いくつからブランドから「素晴らしい新シューズ」が出ていた一方で、「各ブランドが、今年の春と夏にどれほど注目を浴びるかは分からない」とも話した。

 一方でバーンズ氏は、すでにアジアの生産工場が閉鎖されるなど経済破綻を引き起こしているパンデミックを乗り越える最善の方法を、すべてのシューズカンパニーが模索していくことになると予想している。(c)AFP/Luke PHILLIPS