【5月13日 CNS】中国・広州市(Guangzhou)で9日、新型のナノろ過材料を使ったマスクが正式発表された。このマスクは中国国内では初めてろ過膜の孔径(こうけい)が新型コロナウイルスよりも小さい材料を採用し、200時間以上の使用が可能で、すでに量産を開始している。

 広州市工信局によると、このマスクは「広州市東泓氟塑料(Guangzhou Donghong Fluorine Plastic Technology)」が製造したもので、三つの突出した特徴があるとしている。

 第一に、フッ素樹脂PTFEのナノろ過膜を防護層に用い、繊維の直径は新型ウイルス(90ナノメートル)よりも小さく、物理的隔離の原理によりウイルスを強力にろ過する。ろ過効率は99%以上だ。

 第二に、全天候装着可能で、ろ過性能は水ぬれ、汗、湿潤な気候などの影響を受けず、複数回使用が可能。熱水で15回洗浄してもろ過効果は落ちない。

 第三は、材料が安全で通気性が良い点だ。食品用器具材料(FCM)に属し、無味無臭だ。装着感は普通のマスクに勝り、児童やアレルギー症の人に最適で、通気性は普通のマスクに比べ遥かに良いとされる。

 PTFEナノろ過膜はマスク用ろ過材の新材料として、これまでのメルトブロー不織布に比べて総合性能が優れ、使用寿命は長く、沸騰水、アルコール、紫外線などの消毒殺菌にも耐えることができる。

 国家日用電気品質監督検査センターの馮皓(Feng Hao)高級工程師によると、「現在、市場に出回っている大多数のメルトブロー不織布を使った防護マスクは、静電吸着の原理でPM2.5やウイルスをろ過している。マスクにいったん水分が着くと、ろ過機能は失効するため、4時間ごとに交換しなければならない。PTFEナノろ過膜のろ過原理は物理的隔離であるので、ろ過効果は水分などの要素の影響を受けず、夏季の高温で汗をかきやすい状況や多湿な環境での使用に適している。一日中装着することも可能で、沸騰した水で消毒することで複数回使用が可能」という。(c)CNS/JCM/AFPBB News