【5月10日 CNS】「マスクを受け取りました。本当にうれしい。大学の皆さん、ありがとう!」――西南石油大学(Southwest Petloreum University)の特別招請教授で、ドイツのクラウスタール工科大学(Technische Universität Clausthal)の終身教授でもある侯正猛(Hou Zhengmeng)氏は、6日の取材で自身の感想をこう語った。侯氏のところには先日、中国から宅配便が届き、中には医療用マスク50枚と慰問の手紙が入っていたのだ。

 新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、マスクの入手が困難になっていることを知った西南石油大学は、「海外マスク郵送計画」を立ち上げ、現在海外にいる教師たちにマスク50枚ずつを郵送することにした。

 現在65人の教師がシンガポール、米国、英国など十数か国にいるが、大学の連絡員が個々に全員と連絡を取り、教師たちの健康状態を把握し、現住所も確認した。こうして合計3250枚のマスクと65通の慰問の手紙が世界各国に送られることになった。

 マスクの送付は順調ではなかった。海外でのウイルス感染が拡大するにつれ、宅配便の検査も平常時より厳しく、一部の航空便の運航停止も加わり、輸送には一層の時間を要した。大学の外国語学院で英語専攻の本科の担任を務めるカナダ籍のロバート氏は、マスクを受け取るまで半月近くかかった。

 現在は学校のプログラムに従い、10時間もの時差を克服してオンライン授業を行っているロバート氏は「こんな時期にも学校は私たちを忘れずにいてくれた。感染症の流行が収まれば中国に戻り、学校に復帰したい」と話した。

「非常時に異国に居る身で、学校からの慰問のお手紙やマスクをいただき、本当に感激です。学校や祖国を愛しています」――こう話す張懐秀(Zhang Huaixiu)先生は、すでに同大学を定年退職し、シンガポールの身内を訪ねていた時に折あしく感染症の発生で帰国できなくなっていた。彼女は真っ先にSNSを通じ、自身の喜びを皆と分かち合った。(c)CNS/JCM/AFPBB News