【5月8日 AFP】マイク・ポンぺオ(Mike Pompeo)米国務長官と北大西洋条約機構(NATO)に加盟する中東欧の外相らは7日、第2次世界大戦(World War II)の終結から75年を迎えるに当たり、ロシアによる「歴史を歪曲(わいきょく)しようとする試みに遺憾の意」を表す共同声明を発表して同国を非難した。

 同長官とブルガリア、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキアの外相による共同声明は戦争による犠牲者と「ナチス・ドイツ(Nazi)を敗北させるために戦った全ての兵士ら」を顕彰するために発表されたもの。

 だが各国はこの機会に、旧ソ連が東欧諸国に押し付けた共産主義の統治により、「1945年の5月、欧州の全域に自由がもたらされはしなかった」との見解を改めて示した。

 同長官との9か国の外相らは、「かつてバルト3国は、ソ連に違法に占領され併合された。影響下に置いた他の国々に対する鉄の支配は、圧倒的な軍事力、抑圧、思イデオロギー統制を用いるソ連によって遂行された」と主張し、「ソ連が第2次世界大戦と、戦争直後に生じた欧州の分断につながる歴史的な出来事を改ざんすることは、歴史を歪曲する遺憾な試みだ」と述べた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やロシアの政府高官らは最近、ポーランドに戦争勃発の部分的な責任があると非難したが、ポーランド政府と西側の同盟諸国はこれを誤った修正主義の主張だとして一蹴していた。

 ロシア政府はこれまでも複数回にわたり、ソ連とナチス・ドイツが欧州を分割すべく、第2次世界大戦勃発前の1939年に密かに結んだ協定を過小評価しようと試みてきた。

 ロシア政府はまた、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国を1944年から45年にかけて併合したことを占領とは認めておらず、謝罪や賠償もこれまで一切していない。(c)AFP