【5月7日 AFP】米シンクタンク「ブルッキングス研究所(Brookings Institution)」は6日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以降、米国の子どもの5人に1人が十分な食事を取れていないとの調査結果を発表した。新型コロナウイルス危機がもたらす広範な健康上の影響を浮き彫りにする内容だ。

 調査では12歳以下の子を持つ母親の17.4%が、金銭的理由から子どもに十分食べさせられていないと回答した。

 研究主任のローレン・バウアー(Lauren Bauer)氏は、「子どもたちが現代では前例のない規模の食料不安を経験していることは明らかだ」「18歳未満の子どもがいる家庭の食料不安は、2018年と比べて約130%増加した」と指摘。「憂慮すべき」結果だと述べた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行の影響を調べる今回の調査では、十分な食事を取れていない子どもの数は、2008年の世界金融危機の頃よりも多いことが分かった。

 バウアー氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に、家庭では一人当たりの食事量が減っており、子どもたちは食事を抜くことを余儀なくされていると説明。学校給食が中断されたことも要因となっている可能性があると語った。

 食料配給を受け取りに行けない家族や、限られた配給品を家庭内で年かさのきょうだいが奪い合うといったケースもあるという。バウアー氏は、米政府に食料安全保障プログラムを拡大し、給付水準を引き上げるよう訴えている。

 米国では、新型コロナ対策として実施された経済活動の一時停止により、少なくとも3000万人が失業状態にある。(c)AFP