■共和党と民主党の対立

 企業団体は、企業を保護する対策が必要だと主張している。従業員が新型ウイルスの検査で陽性反応を示した場合でも、健康に関するプライバシー保護の観点から接触者追跡の遂行が制限される可能性があるからだ。また一部の企業は、現在供給が限られている個人用保護具を見つけるのに苦労もしている。

 企業側の主張は、トランプ政権と共和党のほとんどの上院議員から支持を得ている。だが、民主党の上院議員は、免責によって企業を保護しようとする広範な取り組みに反発している。労働組合もそうした措置に反対している。

 米サービス従業員国際組合(Service Employees International Union)のメアリー・ケイ・ヘンリー(Mary Kay Henry)委員長は、「雇用主や企業が自分たちの法的責任を回避しようとしていること、同時に労働者に防護具や有給休暇の提供を拒否していることは絶対にあってはならない」と批判している。

 米コーネル大学(Cornell University)法科大学院で労働法を専門とするアンジェラ・コーネル(Angela Cornell)教授は、適切な措置を講じている企業には問題は生じないだろうとしつつ、「CDCのガイドラインに従うことが企業にとって重大なリスクになるとは思えない。適切な措置を取らない企業に対し、どのようにして制裁を確実に科すことができるかが問題だ」と述べる。

 コーネル教授はまた、「企業は正しいことをすべきで、CDCのガイドラインに従うべきだ。従業員同士が適切な距離を保つこと、フェースマスクを提供すること、トイレにせっけんを用意すること、従業員が病気になったときには有給休暇を確保することなどを徹底すべきだ」と語っている。(c)AFP/Luc OLINGA