【5月6日 AFP】女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は、男子のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)らが提案した男女両団体の統合を支持する姿勢を示した。

 サイモンCEOは、5日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)で「私は完全統合を恐れていない。今まで一度も」「そうなれば間違いなく先頭に立ってサポートする。長く曲がりくねった道のりになるのは確かだが、(統合は)完全に理にかなっている」と述べた。

 サイモンCEOの発言に先立ち、フェデラーとラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は先月、WTAと男子プロテニス協会(ATP)の統合を推す声を上げていた。

 フェデラーの「少し気になっているのだが…、今こそ男女のテニスを統合して一つになるべきだと考えているのは自分だけなのだろうか」「競技を統一すると言っているのではなく、男子と女子のプロツアーを統括する二つの団体(ATPとWTA)を統合するということだ」というツイッター(Twitter)上でのつぶやきには、ナダルや女子テニスの第一人者であるビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏から熱の込もった賛同の意見が寄せられた。

 キング氏は「同意するし、これは1970年代前半からずっと訴え続けていること。女子と男子が一つになって声をそろえる。実現させよう」とツイートし、ナダルも「完全に同意だ。男女のテニスが団結し、一つの組織になってこの世界的な危機を乗り越えられたら最高だ」と同調した。

 サイモンCEOはタイムズ紙とのインタビューの中で、いかなる形であれ統合はかなり先の話になるとの見解を示したが、新型コロナウイルスの影響による不透明な状況が、合意へ向けた推進力になる可能性はある。

 サイモンCEOは、「今はユニークな時期だ」「危機や困難は、時に機会を与えることもある」「会計士や税理士、弁護士といった全関係者が絡む話になる。時間はかかるだろうが、コンセプトとしては、それほど時間を要さないかもしれない」「目標が一致すれば、たいていは素早く成し遂げられるものだ」と語った。(c)AFP